日本人の睡眠時間は世界で最も短いと言われています。
2016年にミシガン大学がインターネットで調査をした結果、100国中で日本の睡眠時間は最下位にランクされています。
フランス8.7時間、アメリカ7.5時間、日本6.5時間。
NHKの調査でも睡眠時間は年々短くなっており、深夜まで起きている人は珍しくありません。
1960年代には60%の人が夜10時までに寝ていたが、2000年代には20%台と下がってきています。
また東京の平日の睡眠時間は5.59時間と世界の大都市に比べても極端に少ない状況です。
日本は都会に住んでいる人ほど睡眠時間が短い傾向にあります。
最初の90分を深く眠る
現代人は仕事に追われていてなかなか長時間の睡眠時間を確保することはむずかしい状況です。
ただ睡眠は量で決まるのではなく、質を高めることを追及していけば寝覚めの良い朝を迎えることができるでしょう。
睡眠には、ノンレム睡眠(脳もからだも眠っている)とレム睡眠(脳は起きていてからだは眠っている)の2種類があり、それを90分間隔ぐらいで繰り返しています。
寝ついた後にすぐに訪れるのはノンレム睡眠で、睡眠全体のなかでもっとも深い睡眠で約90分続きます。
その後にレム睡眠が起こり、まぶたの下の眼球が素早く動く浅い睡眠が続きます。
ノンレム睡眠とレム睡眠を4-5回繰り返し、浅くて長くなる明け方のレム睡眠で目覚めていきます。
まずは睡眠でもっとも意識したいのが、最初の約90分のノンレム睡眠で、いかに深く質の高い睡眠をとるかになります。
その睡眠の質によって、自律神経やホルモンの働きもよくなり、翌日の行動に大きく影響する鍵を握っています。
副交感神経優位で脳とからだを休ませる
人のからだは自律神経が常に活動しており、活動モードの「交感神経」、ゆっくりモードの「副交感神経」が一日の中で代わる代わる優位になっています。
日中は「交感神経」が優位で、夜になると「副交感神経」が優位に働きます。
寝つきのはじめの深い90分のノンレム睡眠が、「副交感神経」が優位に働くと、脳とからだを休ませることができ、質の高い最高の睡眠状態を保つことができるでしょう。
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記憶を整理する役割
睡眠と記憶の関係についてはさまざまな学説がありますが、睡眠直後の90分のノンレム睡眠時に、海馬から大脳皮質に情報が移動して、記憶が保存され整理されるという報告も発表されており、
睡眠は記憶にとって大きな役割ももっていると思われます。
試験勉強でも徹夜して試験にのぞむよりも、深いノンレム睡眠をとれる時間を確保できるように睡眠をとることで、記憶が整理され、万全の態勢で試験にのぞむことができるでしょう。
睡眠時には多くのホルモンが分泌しており、良いホルモンは生活習慣病の改善にも密接にかかわっています。
ノンレム睡眠に多く分泌されるグロースホルモン
睡眠を制限すると脂肪細胞から分泌される「食欲を抑制するレプチン」が減少し、胃から分泌される「食欲を増すグレリン」が増すなど大きくかかわっています。
とくに成長ホルモンであるグロースホルモンもノンレム睡眠時に多く分泌され、筋肉や骨は強くなり、代謝も良くなっています。
皮膚の保湿も睡眠でアップしますが、「乳汁の分泌や乳腺の発達を促すプロラクチン」もノンレム睡眠時に多く分泌されます。
睡眠の質が悪いと、ホルモンバランスが崩れ免疫力が低下して、風邪やインフルエンザ、がんなどの病気にかかりやすくなります。
免疫力を上げて病気を防ぐ
またリュウマチやアレルギーとも密接に関係しています。
脳にたまった老廃物を輩出する
脳は脳脊髄液に守られていて、毎日脳にたまった老廃物を輩出して、その除去をおこなっています。
アルツハイマーの原因物質のひとつである「アミロイドβ」も脳の老廃物であり、睡眠不足になると脳に蓄積してしまいます。
参考文献:スタンフォード大学医学部教授・スタンフォード大学睡眠生体リズム研究所所長 西野精治「スタンフォード式 最高の睡眠」
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も参考になれば幸いです。
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